レビュー一覧

被災をきっかけに仕事を失いニートになった人の苦労を描いた単純な話と思いきや、違いました。主人公であるカトーさんが、自身の抱えていたトラウマや自分として生きていくために何が重要かを、家族や恋人や友人や美容学校で出会った先生やカウンセリングの芥川先生などの周りの人たちとの関わりの中で一歩一歩もがきながら解き明かしていく様を丁寧に分かりやすく描写した、とても読み応えがある話でした。聞いたことのあるけどなかなか理解できてなかった心理学的な話もあり、カトーさんの人生が事例情報として頭に入ることで、より理解が深まりました。人が自分らしく社会とつながりながら生きていくために自己肯定感が重要であり、他人のそれを害すことは本人への影響が多大であることが分かりました。自分はカトーさんのような経験をしてはいませんが、これから社会において誰かを育てたり、教育したり、友人として支え得たり、人と関わっていく中で、この漫画で知った事はとても生きるのではないかなと思います。

気軽に読めるコミックエッセイが好きなので48時間で購入。試し読みの時はあの震災の時、原発からほど近い南相馬市に作者がいてその時の様子がリアルに描かれていてとても続きが気になりました。その後の復興の様子や現状を知りたかったのですが、結局作者は移住したのでそこは知れず。移住先に定着するのかと思いきやなぜか東京の美容学校に入り人間関係が悪く鬱を発症する話です。そこからは徐々に絵よりも説明文が増え、読むのに時間がかかりました。ボリュームのある作品だとは思いますがやはり他の方も書いているように言い訳が多いかなぁ。お父さんから精神的虐待があったとありますが、東京の大学に行ったりニート中もお金を出してもらえて…本当に嫌なら一切親を頼りませんよね。もっと悲惨な人からすると甘ったれた根性や大げさな表現が癇に障り読み進めるうちにイライラしました。絵の作者の表情もいつも眉が曲がって目つきが悪く、公園でもどこでもタバコをふかしてロン毛で清潔感なし。漫画一冊出してバンド組んだだけで表現者だ！とアーティスト気取っています。結婚も親のようになりたくないとか言って逃げてますね。カウンセリングの人は話聞くのが仕事ですから客が逃げるような耳障り悪いことは言わないでしょうけど…。私は彼の場合震災時守るものが犬しかおらず自分の命が軽いと考えたわけですから、結婚して子供を作って、1人の大人として責任感を持って薄給でも真面目に暮らした方が良いと思うのですが、元々バンドや美容師をやりたがる人なので「俺は他とは違う！」という中二病、またはナルシズムから逃れられない人だと思います。今は良いですが周りが結婚しだして自分が40超えて女性にも相手されなくなった時また鬱が酷くならないか心配です。他の方も言われていたように犬のエッセイなど明るい話が描けるようになって欲しいですね。

サンプルのページ部分からは想像できないくらい濃密な内容でした。私もうつを患ってますが、病院で一番軽い薬をもらって全く効果がなく〜から二回目に病院行った下りが全く同じで笑えました。うつの症状の場面も共感できることが多く励みになりました。特筆すべきとこは、この作者の書く犬が可愛いこと！真剣に、今度は犬とのエッセイとか書いて欲しいです。

震災をきっかけにニートになって鬱になって・・・となかなかシビアな内容です。徐々に気持ちが上がってきてるところにホッとします。次回作が待ち遠しいです。

震災関連のストーリーかと思いましたが、違いました。震災をきっかけに、うつを発症した作者ですが、その原因は幼少期からの父親との関係に潜んでおり、その記憶と葛藤し、激しい自己否定から立ち直る方法を模索していく内容です。うつを経験した方には、参考になるのではないかと思います。説明文が多すぎするのが、少し残念、、

私はちょっと…無理でした。震災にあって大変なことは本当にわかるし、故郷を捨てる辛さ、鬱の辛さは分かるけれど、共感は出来なかった。自分を客観的に見ているのかもしれないけど、今の自分の問題は全部親のせい、周囲のせいにしているように見えて無責任に見える。金銭的に支えてくれたお母さん、それも被爆したお母さんに感謝の言葉がなくて。

震災や原発事故でのご苦労は、本当にたいへんだったのだと、理解できます。また、この作品を描くことで、作者が、うつ　からの回復のご努力をなさっていることも、とてもよくわかります。ただ、作品として考えると、構成がバラバラしすぎています。また登場人物も突然、知らない人がでてきたりして、読み手は混乱します。作者の感情が強すぎ。一方通行で、攻撃的です。作者のご病気を思いますと、レビューは控えようかと、一日考えました。でも作品は販売されているのですし、読者として投稿させていただきました。

震災に合われたときの、状況がまだ呑み込めていないときの不安感とか戸惑いとか、よく理解できないまま家の片付けをしている様子が、やけにリアルでゾクッと鳥肌が立ちました。震災による心への負担。計り知れない不安感でしょうね。衝撃的なタイトルの意味が、作品の中に散りばめられていて泣けました。

良かった！同時代に生きた日本人として、分かるし。

絵が下手なので、ストーリーがあたまに入ってきませんでした。