レビュー一覧

素晴らしい作品です！この作品を知ったのが遅かった為、新刊で購入できず中古書籍を購入。その後電子書籍を購入しました。中古書籍では杉本先生に印税が入らないからです。素晴らしい作品への御礼として一読者である私ができることは、このぐらいしかないかなと。天才的なマジックの腕を持ちながら、発達性の読み書き障害を抱える少年、長見良の物語です。まず良がとても魅力的です。バカにされたりいじめられたりしながらもとても強い。痛みを知っているせいか大人びています。マジックへの思いの一途さに胸がヒリヒリします。マジックシーンがとても美しく、その場に居合わせたいと思う夢のようなシーンがたくさんありました。何度読んでも泣いてしまいます。読み書きの障害がこういうものだとよくわかりました。おそらく相当取材されていると思います。良を巡る人々のキャラクターが立っていて、リアリティがあります。優れた作品を世に出せば相応に報われるかというとそうではなく、連載が三年中断し、思うような結果にならなかったようです。連載中に人気がなかったと先生ご本人が書いておられたのをどこかで見ました。ファンタジウムが目当てで雑誌購入していた人も多くいたと思います。単行本になってから購入しようという考えの人も多かったと思います。でも雑誌連載時からアンケートなりで貢献しないとダメなんです。きっと。作品のレビューという観点から離れてしまいすみません。ただ、もっと良の物語の先を読みたかったです。私の非力な筆ではこの作品の魅力が伝えられないのがもどかしいです。杉本先生ですが、配信という形で「ブラッディチャイナタウン」という作品を今でも描き続けてくださっているのがとても有り難いです。ごめんなさい。今度はちゃんとサポートします。

一言で言うなら日本の漫画史上誇るべき大傑作です。この漫画が多くの人の目に触れ正当に認められたとき、日本は障害を持つ人やLGBTの人、環境…あらゆることに優しい本当に成熟した国になれるのだと思います。偏見に満ち満ちた「エリート」な「お役人」が押す教科書や推薦図書でなく、本書が教科書になって欲しい。そうしたら少しはこの世の中も『ファンタジウム』になるのに!!ともかく老若男女すべての人に読んでもらいたい良書です。すべてのキャラが「生きて」います。絵がキレイでうっとりです。欠点など何一つありません。あえて言うならもっと続いてほしい…だけです。それほどの大傑作です。大事なことなので2度言いました。

なんの気無しに読み始めたのだが予想もしない傑作マンガであった。ハンディキャップを持った子供の成長物語 といえばそれまでであるが、主人公の そして周辺人物の気持ち 感情 心の動きが丁寧に描いてあってとても心地よい。と奇異な才能であるだけに その才能を利用して一儲け企む なんていう誘惑も出てきそうだが、暖かく しかも真剣に主人公をもり立てようとしているとこが良い。

良くんの、迷うことがあっても自分の心に耳をすませる生き方に、様々な霧が晴れるような思いがしました。どの巻を何度読んでも、新しい気づきがありますが、特に最終巻は300ページもあってびっくり。本当に読み応えがあるストーリーでした。渡米してからロンドンまでの彼の冒険を、いつか続編で読めることを祈っています。これだけ示唆に富んだ物語を生み出すには、どれだけのエネルギーが必要だったかと思うと、著者さま、本当にお疲れ様でした。ありがとうございます。

ブラボー！アンコール！絶対、続編、希望します！ド派手じゃないかも知れませんが、心が洗われるような物語です。連載に諸事情あったようですが、心に灯をともすような大切にしたい佳い作品。さようなら、また会う日まで＿

ディスレクシアは一見、障がいがあると分かりにくくて、集中力がない、学力が引いとみられがち理解されない事や本人も読めない理由が分からないまま見過ごされがちな障がいです。無理解から親からの虐待があるのは辛いけれど、生きる力と才能があり、理解して支えてくれる人がいる良はこれから自分が幸せになるのはもちろん、世界にディスレクシアの事を周知する事で、辛い思いをする子どもたちやそのまま大人になってしまった沢山の人達を救ってくれる希望でいっぱいになりました。北條さんに出会えてよかった。何度も泣いて読みました。

杉本先生は「ANIMAL X」で知りました。とても久しぶりに作品を読ませていただきましたが、この「ファンタジウム」も深く深く心に響く作品でした。 見落としてはいけない大切なことに気付かせてくれる数少ない漫画家さん。絵もすてきで、主人公の良くんがマジックをしている扉絵がものすごく可愛いです。漫画なのに登場人物が「目は口ほどにものを言う」ところもすごい。たくさんの人に読んで欲しい作品です。そして…願わくは続きを読みたいです。

こんな面白いマンガが10年くらい前からあったなんて…。もっと先まで読みたかったです。文字が読み書きできない障害により理不尽ないじめや差別に諦めつつも、マジックを通して成長していく物語。主人公の良くんはもちろん、周りの人たちのキャラクターの人生も色濃く感じられます。マジックの歴史などの説明もしっかりあり、世界に引き込まれていきます。

最初は手品の世界に興味なくて、読み進めなかったんですけど。再び読み始めたら面白くて、いろんな社会問題も定義されてて、深く、面白かったです。続きが読みたい！

これほど満足した作品は少ないです。しっかり読みたい人にオススメです。かと言って重っ苦しい話ではありません。まずは騙されたつもりで一巻を読んでみてください。個人的には海外編も読みたいので、いつか描いて下さいませんか？杉本先！！