レビュー一覧

まとまるの楽しみにしてたんですが、んー、思ってたのと違いました。これは少女漫画BLかな〜。今の自分にはその資格がないけどあんな素敵な恋がしたかったなぁと諦めてる大人のお話。せっかくの女装なのに、それを活かしたグッとくるシーンが少なかったんですよね。受けも攻めもスキスキ言ってるだけという印象しか残ってないという。それからちょっと病んでる人が2人いますが、その背景も今後もよくわからないままだったのもスッキリしない原因です。

単話の表紙とタイトルがスゴく素敵でサンプルの絵も雰囲気も好きだったので纏まるの待ってました。単行本の表紙はイメージと違っててちょっぴり残念｡でも内容は期待通りとっても素敵でした。攻めが一途で､ショタな10年前もDKの今もめっちゃかっこよくてスパダリで萌えキュンでした。受けが陰キャで暗い展開もあるけど､攻めの愛情と包容力で自分に素直になれてハピエンでほんと良かった。この作家さんの「花とクルミと」もステキなお話なので気になる人は読んで見てください｡

作者の中では綺麗に繋がってるのかもだけど、あれこれ情報が少しあるだけで違和感を覚えずに読めるのになぁと。ひかるは一人息子なはずなのに、虚弱体質でお兄ちゃん子な弟(勇)がいて、DV彼氏(もどき)がいくら執着してても、SCと教員の異動先が一緒というのは不自然で…。あの少年とひかるの一致は紹介文にはあるけれど…。二葉の脆弱な自我をはじめとして、何というか全部がフラジャイルなので、しっかりした骨格骨子がないと、繊細に揺れ動く恋物語として読むのは難しいな。ひかるの一途さ、ふたりが対等になる夢は良かったけど、ふたりの出逢いはもっと印象的に見せて欲しかったです。

うーん、何かと惜しい… ゲイかつ女装癖（可愛いもの大好き）がある主人公の教師二葉が、10年前に街中で出会い「僕がお姉さんのことを守る」と言ってくれた男前少年と、職場の高校で再会　イケメンに成長した彼に想いを告げられドキドキしてるーという可愛いストーリーかと思いきや、二葉は同僚のスクールカウンセラー高杉と同棲中。この高杉がまた束縛系だか病み系だかで何とも危うい。どうも高杉もカオリと言う女性との過去に囚われてて「二葉＝女装を認めてくれ周囲から守ってくれる強い高杉の庇護下にいる」「高杉＝カオリの代わりに二葉を囲っている」と言う共依存のような関係です。ここでカオリがどういう存在だったのか語られてないのでモヤモヤが残ります。二葉と同じように力で支配しようとして逃げられたのか、はたまた愛し合っている最中に事故や病気で死んでしまったのか…？これによって高杉という人間の闇もわかってくるので、そこはちゃんと説明してくれないと。二葉は二葉で、以前女装姿をSNSにあげてたことがバレて（高杉の仕業）トラブルになったにも関わらず、10歳も下の教え子の一条に恋心を抱いたりホテルへ行ったりと大人・教師としての倫理観に欠けていて、何かと言っちゃすぐにポロポロ泣く。高杉に依存し、高杉は自分のことを本気で好きじゃないと自覚していながら「高杉さんは俺のこと好きなの？」とクヨクヨ。一番あちゃーなのは「老舗旅館の一人息子」設定なのに、なぜか似てない弟登場（しかも同じ学校だし）　この弟も体が弱く一条にかなり依存してる様子なので「実は父親の愛人の子で数年前に母親が死んで旅館に引き取られる前にひどい生活をしていた」とか「幼い頃から何度も死にかけていた」「両親は病弱な弟にかかりっきりで、一条はおじいちゃんの家に預けられていた」とかいう設定なのかな？と想像してたらそういう話も一切なし。（高杉と弟がお互いの依存心を理解し合うっぽい場面はありましたが）高杉とのHシーンを減らして、そういう人物の掘り下げにもうちょっとページを割いていただきたかったなあと残念に思いました。

思ってるのと違った。。何あの病んでる人…。病んでる人とのページが多くて、結局は主人公のはずの二人は少しだけ。そっちを沢山読みたかったわたしとしては、残念極まりなし。

話が唐突で途中から読み始めたのかと思った、訳ありの様な描写が多い割に最後まで説明が無いからいまいち登場人物の関係性や気持ちも解らない。あと主人公が先生の割に行動が流され過ぎで軽率過ぎて何処が魅力なのか理解出来ない。

説明不足です、いきなり出てきた弟は？かおりって誰？何も解らずモヤモヤだけが残った。

読後感がイマイチでした。病み系とも違うし受けはグズグズで泣いてばかりの印象だし、高杉はゲスいし、ひかる君はなんだか薄っぺらいし。物語の骨格があまり伝わってこなかった感じです。

鎌谷悠希さんの推しだったので、読んでみました。雰囲気はあるのに登場人物の関係性とかセリフに齟齬があるのが気になりました。高校生(攻)と教師(受)なら、教師はもっと葛藤するのでは?当て馬も執着していた割には、最後はあっさり引いてしまうし、盛り上がりに欠けたままのラストで肩透かしをくらった感じでした。

読後すごく満たされた気持ちになりました。自分の現状に不安と後ろめたさを感じつつも、ひかる君の真っ直ぐな気持ちに徐々に絆されていく先生の姿が魅力的でした。ひかる君と出会う前は過去の出来事の影響もあって自分らしくいることに罪悪感があったのに、先生のありのままを肯定して認めてくれるひかる君の存在は救いだなと…この二人が年月を経て再開できたことを本当に嬉しく思います…ラストの終わり方もそれぞれの人物に救いがある形でよかったです！素敵な物語をありがとうございました