レビュー一覧

これは考えさせられる。言いたい事はあるけど、この作品の前にはただただ軽いだけの言葉になりそうだ。下手に何か言うより、コレ読んだ方がいい。ポイント数だけ見たら高いけど、それ以上の価値がある。

何を書いても陳腐になりそうです。冒頭からの展開にひどく心を打たれました。BLカテゴリーにはなってますが、LGBT問題を考えずにはいられない作品です。安良城の精神状態をこのようなカタチで具現化されたのは目から鱗でした。また、先生のような人の存在がよりリアルで哀しみを覚えます。人を怪獣にするって簡単なんですね。心に深く突き刺さる作品でしたが、モヤッと感が残るのです。安良城にとってあのラストは平穏を取り戻せたけど、「良かった」だけでは済まされないような・・・。とは言え、この作品は何らかの賞のランキング入りしそうです。

理解して欲しいけどされない悲しさが怪獣になってしまうお話。本当にソレがあったら現代社会ならどれ位の人が発症しているのだろうと考えたお話。そして無意識に他人を認めない愚かしい人間はどこにでも居るのだろうと思ったお話。自分の常識がどれだけ他人にとっては非常識なのだろうかと考えたお話。

ただのBLというだけではない作品でした。あらしろ君の心を思うと切なく苦しくなり、色々考えさせられる内容でした。

考えさせるお話でした。孤独で悲しい気持ちと、前向きな愛しさが押し寄せてきて、優しい気持ちになれました。ボリューム満点の人間ドラマです。多くの人の目に触れるといいですね。

絵もきれいで読みやすく、重要でもある登場人物達の絶妙な表情がこれでもかと描かれていて迫ってくるものがあります。自分の中でそれぞれの立場になったらどうするかと考えるよい舞台設定でもあると思います。漫画自体とてもよいです。同時に感じたのが、本人やその悲劇にはとても繊細だけど、「本人に害なす存在」に対しては何もそこまでと感じる程に執拗に行われる貶め描写も少しきになりました。彼ら全員の気持ちも行動も理解できるし、作中にとことん落ち度だらけと描かれた登場人物には「主人公は求めすぎでは」と少し同情的に見てしまいました。全てを受容する事は愛情ではないと思うので、自分にとっての正解以外は駄目と描かれてしまうと、感性の違いを深く感じました。

楽しい作品かなって思ったら、ところどころ　内容が　シリアスで、いろいろと考えさせられました。

偶然見つけて読みました。心臓を抉るほどではないけど、BL作品を好んでる人に対して大切なことに改めて気づかせてもらえる作品だと思いました。他人を心の底から認めるってとても難しいことだと思います。世の中には認めたつもりの人が多いというか、大半そうなんだろうなと思います。特に日本は何十年も何百年も日本人だけの文化だったわけだからそりゃ陸続きで他国民を避けられない国とは違ってより固定概念のオンパレードになるし、いきなりジェンダーレスとか宗教的な概念とか言われても追いつけない人は山ほどいて当たり前だな、なんてことまで考えてしまいました。現代はその切り替えの時期ですよね。国籍・人種・性別・宗教そんなの全て含めて貴方。として心の底から存在を認めることが重要な社会ですよね。正直、この話を読んで自分は他人に対して、認めたつもりでいただけなのかもしれないなと、というか、やっぱりそうだったなと思って自分に失望しました。自分にはそういうところがあるので自分の子供を産もうとは思いませんが、これから生まれてくる子供やこれから世界を知る子供達には、賛同せずとも、悪でない限り、相手の全てを認めることがあたりまえとなって欲しいものです。この作品のように読者に考えさせる作品すらその価値がなくなるほどに、歴史書を読むかのように、現代人がローマ帝国の文化を学ぶかのように無意識の差別や軽蔑が化石のような価値観になる世界を切に願っています。

ハッピーエンドではないけど、読んでよかったと思います。何気ない発言が、相手の気持ちを左右してしまうことがあることを心におきながら生活出来たらいいなと思います。

どんな感想を書けばいいか悩みますが気になる人は絶対読んで損はありません