レビュー一覧

わー面白かった！思った以上。作者様は台湾の方のようですが、全く違和感ないですね。雰囲気あって読みごたえある、慣れ親しんだBLですこれは。内容に関してはあらすじが詳しいのでそれで十分だと思いますが、くたびれたアラフォー×低モラル青年、非日常にずぶずぶハマっていく“こわいはなし“。タイトルの物語るものも想像できるしあまり期待せずに読んだのですが、まー見せ方が巧い！攻め視点で語られ謎が多く、駆け引きも見ごたえがある。大半はアラフォーの攻めがおかしな若者に翻弄されているんですが、ふと見せる弱さに惹かれたり悶々としたり、それがわかっているのに落ちていく怖さがやたら面白かった。展開が大体わかっているのに（いや、謎も仕込まれているのでネタバレなし推奨ですけども）それでもだいぶヒヤヒヤゾクゾク。キャラもいい。攻めのくたびれ加減や厭世的なところ、受けの狂気、あっけらかんとした部分、いろいろと匙加減が絶妙です。さらに描き下ろし二本が追い討ち。この構成もとてもよかった。かなり余韻ある終わりで大満足です。ただ普通のラブストーリーをお求めの方には合わないと思いますのでその点はご注意を。

新人の作家さんということですがすごく面白かったので、一人でも多くの方に読んでもらいたいと思いました。まずは、中表紙で、怖い！ってなるという仕掛けあり、オカルト好きな私はテンションが上がりました。深入りしちゃだめってわかってはいるけどぐずぐず…といきつつ、二人が普通にデートしてる日常は正直なやりとりが楽しく、このまま続け尊い日常…と思わせる描写と、そこからの徐々に不穏になる落差が絶妙でした。落ちるとわかってジェットコースターで上がっているんだけど、ガーーーって急降下ではなく、景色が見えながら、ちょっとずつ、ちょっとずつ落ちる、って感じで、急降下よりもより怖い！そして、落ちていく先がどこなのかわからない、とりあえず真っ黒い奈落が見える…!ってまたまた怖さが倍増する書き下ろしまで完璧でした。といっても、バッドエンドという訳でもないと思うので、心が折れることはないとお知らせしたいです。BLのLが足りてないと編集さんから言われたと読みましたが、キラッキラのLではなくともBたちのじめっとした執着がこれでもかと表現されていたので、ものすごくBLだったと大満足です。最後に、海外在住だそうですが、このコロナの中、おそらくほぼリモートで出来上がった?素晴らしい作品ということに意味があると思いました。土地に囚われることなく心動かされる作品が出来上がったということに感謝と希望の光を感じました。これからの応援します。

こういう不穏な感じの、大好きです！「ありそう〜」って感じのリアルさがすごく良かった。自分の身に降りかかったら主人公みたいに達観できないけどｗ　最後は結局なんだかんだ言ってお互い絆されてくっつくのかなと思ってたんですけど、予想と違いました。その引き際も妙に不気味になったり。ほんとにこれで終わり？！って。もうホラーの終わり方じゃん！って思っちゃいましたけど。後日談があって良かったです。気になってるのはベランダの窓の手形。あれは本当にやばいものを持ち帰っちゃったってことなんですか？缶ビールが傾く描写とか。読んでる間ずっとどきどきしました。すごく面白かったです。次回作も是非読んでみたい！

とても海外在住の方が描いたとは思えないくらい日本のことをよく描写されてます。2人の依存の先が暗い未来しか見えなくて、そこから逃げた寺田は結局最後捕まってしまったのがタイトル通りでした。その後2人がどうなっていくのかも見てみたいです。

たまに出会える秀逸BLです。BLとしては賛否両論ありそうだし好みが分かれそうなお話ですが好きな人はかなり好きなやつですね。ラブラブハピエンアハハハーン！って感じでは全くないのでニーズに合ってない方にはお薦めできませんが、沢山BLを読んできて知り尽くした方には新たな刺激になる作品だと思います。

うーん、ちょっと消化不良です。手型とかの怪奇現象も回収されてないし、終わりも中途半端で。攻めが同棲していなければまだ未来を期待出来たのだけどな…。

めちゃくちゃ良かったです。二人の未来の道は読者の想像に任せるので、ハッピーエンドかどうかは読者次第です。私は正しい道を選んだ攻めちゃんが結局また堕ちていく方がゾクするほどたまらなく興奮するから、私の理解ではこの二人はまたくっついていくと思います。それに、進む攻めちゃんとまたひとりぼっちに戻った受けちゃんじゃ嫌ですよ。二人とも可哀想だと思っていますから、一緒に救われたら嬉しいです。受けちゃんの魅力は本当に無限大です。謎めいた雰囲気で可愛くてエロくてついつい惹かれちゃいます。彼にも幸せになって欲しいです。

溺愛も純愛もギャグ系も拗らせもちょっと気分じゃないなぁーって時に読むには最高の一冊です。10冊読む中にこう言うお話が一つ入っているのがちょうど良い。残り9冊は王道BLでいい。

ここで作者様のオリジナルBLを読めるなんて！飄々としつつ含みのある笑みを描くのが相変わらずお上手で読んでいて彼は何者なんだ？とドギマギしました。煮え切らないところで終わったかと思えば描き下ろしが十分にありまだ物語は読者の中で続きそう。ページ数も多く満足。結局霊障はなんだったんだろうという点だけ最後まで謎が残るけど面白かった！サンプル読んだ時は購入躊躇ったのですがレビューで気になり読んで良かったと余韻残る一冊でした。

ネタバレになるからあまり詳しくは書けないけどこの終わり方は斬新というかすごく新鮮でよかった