レビュー一覧

原作：貴志佑介氏の名前を見て、無料1巻を読みました。主人公の教師、有能ですが何かどこかオカシイです。貴志さんの「新世界より」を読んだ時、縦糸である主軸と横糸の伏線が緻密に折り重ねられて、凄い話だと思いましたが、こちらの「悪の教典」もまた凄まじい。壊れた人格は最初から壊れているのか、それとも何かボタンの掛け違えが原因なのか。作品上、どちらの結論も成立させられる要素があるだけに、ホラーとして最も重要な、もやっとした嫌な気分が残ります。物語の中で全てのことが簡潔明瞭に記されている物をお求めの人には向きません。完成した物語に未完成のピースがある方が良いという方向きです。

原作を読んだので、このコミックに関しては無料の１巻と最終巻、それから２巻を拝読しました。続きをどう描いてらっしゃるのかが気になるものの、全巻５チケずつは高いなぁと尻込みしています……すみません。２巻のラストで、この物語の全容を語るシーンが出てくるので、これは興味が惹かれて良いなと思いました。緻密に計算されつつ機転を利かせて臨機応変に対応していく。蓮見教師の笑顔が、よく描かれていて良かったです。丁寧な絵柄で、微妙な表情まで楽しめました。心理戦を楽しむ意味では小説がおススメですが、どこで何がおこなわれたのかのビジュアルは、コミックの方が分かりやすくて腑に落ちました。

後味悪いですねぇ。ハッピーエンドを求めていた訳では無いけれども、この終わり方は心に引っかかる。まぁ、それも含めて悪の教典なんだろうけど。

本作品については、原作小説、映画のファンです。コミックもとてもいい出来で、無料の１、2巻と惨劇が始まる６巻~９巻までを購入して読んでしまいました。ハスミンのビジュアルはイメージどおりでよかったです。生徒たちも原作に忠実に描かれていてよかった。

全巻一気に読みました。かなり原作に忠実で、蓮実のサイコパス振りが良く描かれていたと思います。

ハスミンは、原作のイメージ通りに描かれていると思いました。イケメンで、生徒たちの心を掴む魅力の持ち主です。でも他の教師達の描き方は、ちょっとキモく表現し過ぎるような印象を受けました。ずっと少女漫画を中心に読んできたので、青年誌の漫画家さんのタッチにどうも慣れなかったです。筋肉質な体形の男性や、やたらに骨格がゴツイお顔の教師達が受け入れられませんでした。高校生達もヤンキー系の男子が、いかにも昔の不良みたいな出で立ちでダサいと感じました。女の子達もあまり可愛いと思えませんでした。

実写化もされて、大まかなストーリーは知ってたけど、マンガでちゃんと読むとハマりました。こんな狡猾で悪魔のような人間が、生徒や同僚達に真逆の顔を見せ、自分の都合の良いように陥れたり、コントロールしていく展開は面白かったです！

はじめは得体のしれない蓮見の存在が不気味だし恐ろしかったけど、最終的にサイコキラーに成り下がった感じが否めなくって…。なんか一番怖いのはその蓮見の異常性をはじめから察知していた女子生徒な気がします。

ストーリーは面白かったです、でも人物が皆同じ顔に見えてしまいます。

何てったって画がきれい。原作のファンの方は是非とも一読を。私的には映画よりも良かったと思います。