レビュー一覧

ヘロンの作者なので安定の一冊。特に何も起こらない一冊なのですが、なんかいいと思わせる力がある。ヘロンの時にも思ったけど、キャラとキャラの距離感で読者を引き込むタイプ。ストーリーでもうちょっとなんか起これば、ぐわぁーってすごい人気出ると思う。

1冊まるまる2人のお話です。『ラブラドレッセンス』って言葉初めて聞きました。とても素敵な意味。ぴったりのタイトルだと思います。そして、脇役ふくめて登場する人物全員のセリフにハッとさせられます。当たり前な事は決して当たり前ではないと。表面的なものが全てではないと。それはそれは、さりげなく、さらっと本質的なことが随所に散りばめられています。作者さんのセンスに脱帽です。

人生で一番大事なことは、漫画が教えてくれた。っていうどっかの本のタイトルみたいな感想が思い浮かびました。それぐらい、日々の積み重ねの中で忘れがちな、でも本当は忘れちゃいけないことを、いろいろ思い出させてくれる作品でした。「本当にとっても優しい人なのよ」っていうありがちなセリフに、あれほどいろんな想いを詰め込んで表現できる作家さんは、そう多くないと思います。ちょっと胸が詰まりました。淡々としていますが、それだけに、読後に自分でいろんな想いを付け足すことができる作品だと思います。またひとつ、素晴らしい作品に出会えました。

BL云々というよりも人と人とが出会い寄り添っていくドラマチックでは無いけれど奇跡のような日常の物語です。作中のふとした言葉が、人生で忘れがちだけど大切なことを思い出させてくれます。大きな事件はないですが、そこがまたいい。登場人物の空気感や行間を大切にする人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

前作のヘロンが好きだったのでこちらも購入しました。今回も万人受けする作品ではないな~と思いましたが私はとても好きでした。前作と同様BL要素は少なく、全体を通した雰囲気的には友達以上恋愛未満、みたいな感じです。ですがこの作品は、何かとくに波乱万丈なことを描いているわけではなく、ただ「普通」の誰にでもあり得る日常を描いているのに、それがストンと心の深いところに落ちてくるところだと思います。私たち自身も経験があるような心や気持ちのすれ違い。「普通」という一番難しい題材を鮮やかに描き出す作者さんに脱帽です。

作者さまの良さが出ているところは全面支持です。行間を読んで味わうような素敵な空間。ただ、とってもいいセリフが多いだけに、クライマックスでの二人の言葉の応酬に「雰囲気漫画」と思えるじれったさが漂いました。まあそこが持ち味とも言えるし、物足りないとも思えるし、読む日の気分にも左右されそうな感じかな。カバー裏を読むと、二人でやることはやってるようなんだけど(笑)、別に結果が知りたいわけじゃなく私が読みたいのはソコに行きつく、「もよおす」情感なんだよなぁ・・・挿入シーンなんかはあってもなくてもどうでもいいんで、着火点や発火熱が見たかった。大切に思い合う気持ちや絆は十分作品から溢れてて、暖かな読後感なんですが、セックスしたいとお互い思ってるかは伝わってきませんでした。一番大切な友人、という位置づけ以上に思える「相手に触れたくなる瞬間」がほんのワンシーンでも描かれてると、もっとグっとくるものがあったと思う。

おまけで星3です。こんなに高評価なのが不思議です。特に山場もなくストーリーが進み淡々と終わり退屈でした。絵は好きなのですが、男性が黒髪以外みんな同じ顔に見えてしまい残念です。

何だろう…スゴく好きです。へロンが良かったのでこちらも読みましたが素敵な作品過ぎて、何度も大切に読み返してます。単なるBLではない魅力がこの作品には有る気がする…言葉の一つ一つが優しくて、丁寧で、そして物凄く深みがあって…自分の人生に於いても大切なことが沢山描かれていました。求めているものによっては、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、丁寧な心理描写やストーリー重視の人には、ぜひ読んでいただきたい。お薦めです。

優しくてあたたかくて、ふとしたセリフにはっとさせられるお話でした。素直な表現が心に響きます。わたしは作者さんの前作であるさよなら、ヘロンにははまらず48時間にしたのですが、こちらはお気に入りで何度も読み返してます。

ヘロンも大好きでしたが、こちらの作品もまたまた素敵でした！ストーリー重視の方に是非読んで頂きたい！ドクターとフォトグラファーが主人公ですが、性格や仕事、考え方も異なる2人のやりとりがとても面白くて、でも考えさせられる事も多くて、BL漫画なのか？！と思うような感じでした。独特な作風も私は好きな部分。少し笑った表情とか、セリフが無くても気持ちが分かります。オススメします。